映画は毎日のように見ているけれど、あんまり心に残るようなものは少ない。
ドラマだと「とんび」「JIN」「Mother」あたりは何度も繰り返してみてしまうが、何度も見たいと思える映画は、このところ出会っていない。
そんな中、本当に惜しい作品と出会う。と言っても1988年の30年前の映画ですが。
「異人たちとの夏」
孤独を好み、仕事に貪欲で、人付き合いも苦手なシナリオライターの主人公。
40歳の彼には妻子がいたが、傲慢な彼に嫌気がさして出て行ってしまった。
それでも、特に気に留めもしない。彼の心は乾ききっていた。
ある時、ひとり暇つぶしにブラりと立ち寄った浅草。
そこは、28年前に最愛の両親を不慮の事故で失うまで、彼が子供時代を過ごした町だった。
懐かしさに思わず入った演芸座。ところが、客の中に聞き覚えのある声を聴く。
彼はその声の主を必死に探る。
その声の主は、死んだはずの父親にそっくりな男だった。
彼が絶句していると、男は彼に声をかける。
誘われるままに、男についていくと、そこは彼が12歳の頃に過ごした懐かしいアパートで、部屋の中から母親そっくりの女性が現れた…。
と、そんな内容の話で、色々と状況が近しい人は、号泣必死の内容なんです。
ふと訪ねた懐かしい街で、ノスタルジックな光景と登場人物が現実として現れる。
もし、そんな状況に出くわしてしまったら、もしかしたら、僕も今の生活のすべてをなげうってでも、その暮らしの中に溶け込んでしまうかもしれない。
非常に温かくて、おっさんであればあるほど、心に響く内容なんです。
が、なぜかホラー要素が入っておりまして、これが非常に臭い。
皆まで語りませんけど、なぜ、両親と主人公のフィールドオブドリームスばりのヒューマンファンタジードラマに仕上げなかったのか謎。
この映画を最後まで見た人の多くは、最後の問題のシーンで、両親出てこいと思ったのでは?
両親が主人公を守るために霊となって現れた、というプロットだったら、何となくしっくりも来たのにと。
非常に惜しい作品でした。
2019年03月21日
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